ならば何の為に話し合いに参加するのか?


もし誰かにそんなことを訊かれても、私は答えることができないだろう。


私は自分の思いを普通に人に伝えるという習慣がなかった。


そしてそれ以前にその必要性を感じることも滅多になかった。



部室のドアを開けると、二年の杉山瑠衣という女性の先輩だけが、奥の椅子にぽつんと座っていた。