慌ててタクシーを降りて、追いかける私・・・ このままきびすを返して彼が向かう反対方向に猛ダッシュしたら、いったいどうなるのだろう? そんな恐ろしい考えが一瞬、私の脳裏を過ぎった。 私はそんな馬鹿な考えを振り払う為に、頭を横に振ってみた。 そして何かに立ち向かうように、じっと彼の背中を見つめながら歩いた。