「じゃあ、ビール頂きます」 「ビールはもうあっちに出してあるから。真澄、香田さんにビール注いであげて」 「はいよ。凛、もういいよ。こっちにおいで」 真澄に言われて私は台所を出て、真澄とパパが居る部屋に入った。 そして真澄の横にぴったりと付いて座った。 真向かいに座っているパパがぎょっとした目で私を見た。 普段、少しの愛想も持ち合わせない娘が、彼に呼ばれていそいそと部屋に入って来て、彼に擦り寄るように座ったのだから、びっくりしても当然だろう。