真澄のお母さんも何と言っていいのか分からないのだろう、何か言いたそうなのだが声が出ていない。
口をパクパクするというのはこういう状態のことを言うのだろうか
・・・初対面の息子の彼女に、妻子のある男を家に上げていたことを悟られてしまったわけだから、それは焦ったに違いない。
分かった上でその彼と私とが、お互い遠慮し合っているのだから、どっちをどう引き止めていいのか分からなくなってしまったのだろう。
「何言ってるんですか。いいじゃないですか。いくら部屋が狭くったって四人くらいは普通に座れるんだし。凛も久しぶりにおじさんと会ったんでしょうから、ゆっくり話して行って下さいよ。僕もとこうやってきちんとお会いするのは初めてですし、折角ですから
・・・あっ、すいませんおじさんだなんて言って、母がお付き合いさせていただいていることは何となくは聞いていたんですが、お名前は教えてもらっていなくて。何ておっしゃるんですか?」

