そのオリーブイエローの靴に見覚えがある。パパが普段は履いているのと全く同じだ。 何のブランドなのか知らないがそのデザインと色がちょっと珍しいので、滅多に無い物かと思っていた。 しかしここにもあるという事は、割とメジャーな靴なのかもしれない。 「まずいな、付き合ってる人が来ているみたいだ」 「それじゃあ、お邪魔だよね、私達」 「だよな」 玄関の靴を見てこそこそと話していたところに、中から真澄の母親らしき人が不意に現れた。