真澄の実家のある町は、きっと古くからあるのだろう、あまり新しい建物はなかった。


私の住んでいる整然とした町とは違って、ノスタルジックな感じがした。


私は駅から十分の道程をきょろきょろしながら歩いた。


道々、歩きながら真澄が色々と話してくれた。


『あそこの駄菓子屋でよく買ったよ』

『あそこのパン屋、店のおやじがひとりで作って売っているんだけど、結構旨いんだよ』

などと


真澄のそんな話を聞き、指差す方向へ顔を向けていると、着々と彼に詳しくなれるようで嬉しかった。