「えっ、だって、どうして?こんな近くに実家があるのに、何でわざわざアパートを借りているの?私、真澄の実家はもっとずっと遠くなのかと思っていた・・・」


「んー、俺の親父って俺が三歳の時に亡くなったんだ」


「えっ?」


「それからずっとおふくろと二人で暮らして来たけど、俺が高校生の頃からおふくろは、好きな男が出来て付き合っているみたいなんだ。だけど何かはっきりしないんだよな。俺がまだ学生だから気を使っているのかもしれないけど。俺としてはさ、再婚でも何でもしてくれて構わないのに

・・・実家って言っても狭い借家だし、俺が居たんじゃおふくろも自分の思うようにできないんじゃないかと思ってさ」