「私が優哉と付き合って振られれば、同じではないけど、優哉がしたような嫌な思いを兄にもさせられるでしょう?私は勉強もおろそかにして優哉と付き合ったのに、受験が終わる頃にでも振られる。できれば希望した大学にも落ちた上、優哉に捨てられて傷心した様子を見せれば、兄はきっと嫌な思いをする。どうにか私をまともな大学に入れて、まともな人間にしようと考えている兄にとっては、それは結構な打撃になるんでしょう?」


きっと優哉の考えていた事をすっかり言い当てる事が出来たのではないかと思う。


今度は優哉が俯いて黙り込んでしまった。


私の顔を見ようとはしない。


「それで優哉の気が済むなら、私は優哉の言う様にするけど・・・

でもそうなったら優哉と兄の付き合いもそこまでになると思うよ。多分一生兄と絶交する事になるだろうけど、優哉はそれでもいいの?」


優哉は頭を抱えて黙り込んだままだった。