「先輩……」 この間、少しだけどそれらしい先輩のお家事情を聞いてしまった以上、帰ってなんて言えるはずもなく。 「だめ…だよねやっぱり……」 「いいですけど、学校では秘密にしてください。そこの3つ子と双子たちも」 バレたら困るどころの話じゃない。 「親御さんたちにはなんて言ってきたんです?」 「なにも言ってない。直接話したのなんてもう4年以上前だよ」 御曹司ってやっぱり、色々と抱えてるものなの? 「なにかあったら、すぐ出てってもらいますから」 そうして、私たちの生活がスタートした。