この数カ月後、ハリス・リリアナ・テオ・コハクのパーティーは見事にドラゴンのクッキー化に成功する。
 
 噂を聞きつけおこぼれに預かろうと、大勢の冒険者が討伐とクッキー試食会に参加した。
 そして大賑わいの中、夜明けまでにドラゴンクッキーを完食した。
 リリアナは半分以上をひとりで食べた。最後のひと口まで、実に美味しそうに。

 これがきっかけで、ハリスがリーダーのこのパーティーは「大食いパーティー」と呼ばれ、色々な意味でガーデン内外でほかの冒険者たちに怖れられたという。

 リリアナがいつ、クッキー型の所有権を放棄したか――それはまた、別のお話。

 
 ―END―