霧耐性は、濃い霧に包まれてもある程度の視界や方向感覚を確保できるバフだ。
「落ち着いて離れないように。武器は大きく振り回さないようにな」
ハリスが冷静に告げる。
コハクがリリアナの足元に寄り添ってくれた。
その時、突然テオが叫んだ。
「リリアナ! いるか!?」
「ここにいるわよ」
テオはリリアナの横に立っていたが、顔はリリアナがいる方向とは逆を向いている。
そこまではわかるが、テオがどうしてそんな確認をしたのか理由がわからない。
テオの袖を掴もうとした時だった。
「じゃあ、おまえ誰だよ! あ、待てコラ!」
リリアナの手は空を切り、テオが濃い霧の中へ駆け出していく。
「どこに行くの、待って!」
追いかけていこうとしたリリアナの腕をハリスが強く掴む。
「待て! 勝手に行くな!」
叱責されてリリアナは冷静さを取り戻した。ここでリリアナまで離れたらそれぞれ迷子になってしまう。
「テオー! 戻ってらっしゃい!」
大声で呼んでみたものの返事はなく、もう足音も聞こえない。
試しにテオが走っていった方向へ魔法で閃光弾を放ってみたが、光は乱反射して霧に吸い込まれテオの姿は見えなかった。
「落ち着いて離れないように。武器は大きく振り回さないようにな」
ハリスが冷静に告げる。
コハクがリリアナの足元に寄り添ってくれた。
その時、突然テオが叫んだ。
「リリアナ! いるか!?」
「ここにいるわよ」
テオはリリアナの横に立っていたが、顔はリリアナがいる方向とは逆を向いている。
そこまではわかるが、テオがどうしてそんな確認をしたのか理由がわからない。
テオの袖を掴もうとした時だった。
「じゃあ、おまえ誰だよ! あ、待てコラ!」
リリアナの手は空を切り、テオが濃い霧の中へ駆け出していく。
「どこに行くの、待って!」
追いかけていこうとしたリリアナの腕をハリスが強く掴む。
「待て! 勝手に行くな!」
叱責されてリリアナは冷静さを取り戻した。ここでリリアナまで離れたらそれぞれ迷子になってしまう。
「テオー! 戻ってらっしゃい!」
大声で呼んでみたものの返事はなく、もう足音も聞こえない。
試しにテオが走っていった方向へ魔法で閃光弾を放ってみたが、光は乱反射して霧に吸い込まれテオの姿は見えなかった。



