「もしも冒険者カードがオオナマズに飲み込まれていたり、沼の底に沈んでいたりしたら、見つけるのが大変よね」
リリアナは呟きながら沼に近づき、スライムで作った餌をまいた。
今朝ここへ来る前に初心者エリアへ寄ってブルースライムを狩り、ワカヤシ釣りの餌と同じ味をつけてみた。
ワカヤシの食いつきはとてもよかったが、果たしてオオナマズにはどうか。そう心配していたリリアナだったが、どうやら杞憂だったらしい。
沼の水面がゆらりと揺れて、なにか大きなものが近づいてくるのが見える。
ハリスに「下がれ」と手で合図され、オオナマズの討伐を任せることにした。ハリスならおそらく出刃包丁のひと刺しで仕留めるだろう。
リリアナが後ろに下がる途中、視界の端でなにかが微かに動くのが見えた。
ハッとしてよく見れば、泥の中で丸い大きな目がギョロリと動いているではないか。その視線の先にいるのは――。
「テオ! 逃げてっ!」
リリアナの声にすぐさま反応したテオが後ろに飛び退くと同時に、泥の中からオレンジ色に黒い斑点の毒々しい模様をした大きなカエルが飛び出してきた。
「うわっ!」
驚いたテオが大きな声を上げる。
さらにはちょうどその瞬間、ハリスがオオナマズに出刃包丁を刺しバシャンと大きく水が跳ね上がった。
悪いことは重なる、とはこういうことだろうか。なんと、一連の音に反応した泥マンドラゴラまで木の根っこの隙間から飛び出してきたのだった。
「カエルは爪に気をつけろ! 引っかかれると麻痺毒にかかるぞ」
ハリスが自分の体と同じぐらいの大きさのオオナマズを沼から引き上げながら注意を促す。
「まかしとけ!」
テオが斧を構えた。
いまのところ霧は薄く、視界がハッキリしているからテオなら大丈夫だろう。
リリアナは、泥マンドラゴラの相手をすることにした。
リリアナは呟きながら沼に近づき、スライムで作った餌をまいた。
今朝ここへ来る前に初心者エリアへ寄ってブルースライムを狩り、ワカヤシ釣りの餌と同じ味をつけてみた。
ワカヤシの食いつきはとてもよかったが、果たしてオオナマズにはどうか。そう心配していたリリアナだったが、どうやら杞憂だったらしい。
沼の水面がゆらりと揺れて、なにか大きなものが近づいてくるのが見える。
ハリスに「下がれ」と手で合図され、オオナマズの討伐を任せることにした。ハリスならおそらく出刃包丁のひと刺しで仕留めるだろう。
リリアナが後ろに下がる途中、視界の端でなにかが微かに動くのが見えた。
ハッとしてよく見れば、泥の中で丸い大きな目がギョロリと動いているではないか。その視線の先にいるのは――。
「テオ! 逃げてっ!」
リリアナの声にすぐさま反応したテオが後ろに飛び退くと同時に、泥の中からオレンジ色に黒い斑点の毒々しい模様をした大きなカエルが飛び出してきた。
「うわっ!」
驚いたテオが大きな声を上げる。
さらにはちょうどその瞬間、ハリスがオオナマズに出刃包丁を刺しバシャンと大きく水が跳ね上がった。
悪いことは重なる、とはこういうことだろうか。なんと、一連の音に反応した泥マンドラゴラまで木の根っこの隙間から飛び出してきたのだった。
「カエルは爪に気をつけろ! 引っかかれると麻痺毒にかかるぞ」
ハリスが自分の体と同じぐらいの大きさのオオナマズを沼から引き上げながら注意を促す。
「まかしとけ!」
テオが斧を構えた。
いまのところ霧は薄く、視界がハッキリしているからテオなら大丈夫だろう。
リリアナは、泥マンドラゴラの相手をすることにした。



