リリアナはマジックポーチからシュラフを取り出してアルノーに渡した。
雪山エリアへ入る時の必需品だ。あいにくひとり分しかないが。
「わたしはコハクがいるから大丈夫よ。それに、ランタンも灯し続けないといけないし、これで寝てちょうだい」
魔導ランタンは光を灯すだけなら魔力は不要で誰でも使える魔道具だ。
これに微量の火魔法を流せば発熱効果が加わり、簡易型の暖房器具となる。難点は、効果を維持するためにはずっと魔力を流し続けなければならないことだろうか。
するとアルノーは少し困ったような顔でフッと笑った。
「リリアナちゃんはお人好しだな。疲れてるんだろ、俺だって多少の魔力はあるからランタンを維持することはできる。美味いもん食って魔力も気力も満タンだから俺がやる」
それでもせめてシュラフは使ってくれと押し付けて、リリアナはアルノーの申し出に甘えることにした。
「途中で交代するから起こしてね」
実際クタクタだったリリアナは、コハクに抱き着くようにして横になりモフモフに顔をうずめるとすぐにスースーと気持ちよさそうに寝息を立てたのだった。
リリアナは全く気付いていなかった。
アルノーが隙だらけのリリアナの命を狙っていたことに――。
雪山エリアへ入る時の必需品だ。あいにくひとり分しかないが。
「わたしはコハクがいるから大丈夫よ。それに、ランタンも灯し続けないといけないし、これで寝てちょうだい」
魔導ランタンは光を灯すだけなら魔力は不要で誰でも使える魔道具だ。
これに微量の火魔法を流せば発熱効果が加わり、簡易型の暖房器具となる。難点は、効果を維持するためにはずっと魔力を流し続けなければならないことだろうか。
するとアルノーは少し困ったような顔でフッと笑った。
「リリアナちゃんはお人好しだな。疲れてるんだろ、俺だって多少の魔力はあるからランタンを維持することはできる。美味いもん食って魔力も気力も満タンだから俺がやる」
それでもせめてシュラフは使ってくれと押し付けて、リリアナはアルノーの申し出に甘えることにした。
「途中で交代するから起こしてね」
実際クタクタだったリリアナは、コハクに抱き着くようにして横になりモフモフに顔をうずめるとすぐにスースーと気持ちよさそうに寝息を立てたのだった。
リリアナは全く気付いていなかった。
アルノーが隙だらけのリリアナの命を狙っていたことに――。



