臭みの残るスープは、はぐれて遭難したりホワイトアウトで動けなくなるような万が一の非常食となるように密閉容器に入れてそれぞれのマジックポーチに入れ、残りのスープを食べながらオウルベアがやってくるのを待った。
アルミラージの肉団子スープで体が芯から温まり、さらにはかまくらの中でコハクがリリアナに寄り添ってくれているため、寒さが全く気にならない。
「こんなに快適なら、このままここで一泊してもいいかも!」
そんな冗談も飛び出すなごやかな雰囲気でくつろいでいた時、氷樹林からなにかがゆっくり出てくるのが見えた。
三人が息をのんでじっと目を凝らす。
雪と同じ真っ白な巨体。金色の目が光っている。
大当たりのホワイトオウルベアだ!
ハリスが絶対に飛び出すなよとでも言いたげに、腕を横に伸ばしてテオを制している。
オウルベアは、かまくらに隠れて様子をうかがっている三人に気付くことなく、ゆっくりとアルミラージの皮を置いた岩に近づいてきた。
拘束魔法をかけるには距離がありすぎる。ならばさっき話題に上がったこの魔法だろう。
ハリスが手で合図を出したところで重力魔法を放つ。
オウルベアの動きがぎこちなくなった。
「よし! うまくかかった!」
リリアナの弾んだ声を聞いてハリスとテオが飛び出していく。
三人の魔法と物理攻撃の連携で、オウルベアを簡単に仕留めることができた。
事前にハリスが口を酸っぱくしてテオに言い聞かせていたこともあり、綺麗な白い毛皮を極力傷つけずかつ汚さずに倒した。
さっそくその場で解体作業が始まる。
「雲行きが怪しくなってきたな」
テオの声で、作業を手伝っていたリリアナが顔を上げる。
たしかに空模様がどんよりしてきた。
「急ごう。テオは荷物を片付けてきてくれ」
「わかった」
テオがかまくらへ駆け出していく。
ハリスの手の動きがさらに早まり、リリアナも気を引き締めてそれをフォローする。
かまくらでオウルベア鍋を食べるのを楽しみにしていたが、早くガーデン入り口まで戻ったほうがよさそうだ。
安全地帯で調理して、またリストランテ・ガーデンに肉を少しおすそ分けしてもいいかもしれない。
この時のリリアナは、その程度の危機感しか抱いていなかった。
アルミラージの肉団子スープで体が芯から温まり、さらにはかまくらの中でコハクがリリアナに寄り添ってくれているため、寒さが全く気にならない。
「こんなに快適なら、このままここで一泊してもいいかも!」
そんな冗談も飛び出すなごやかな雰囲気でくつろいでいた時、氷樹林からなにかがゆっくり出てくるのが見えた。
三人が息をのんでじっと目を凝らす。
雪と同じ真っ白な巨体。金色の目が光っている。
大当たりのホワイトオウルベアだ!
ハリスが絶対に飛び出すなよとでも言いたげに、腕を横に伸ばしてテオを制している。
オウルベアは、かまくらに隠れて様子をうかがっている三人に気付くことなく、ゆっくりとアルミラージの皮を置いた岩に近づいてきた。
拘束魔法をかけるには距離がありすぎる。ならばさっき話題に上がったこの魔法だろう。
ハリスが手で合図を出したところで重力魔法を放つ。
オウルベアの動きがぎこちなくなった。
「よし! うまくかかった!」
リリアナの弾んだ声を聞いてハリスとテオが飛び出していく。
三人の魔法と物理攻撃の連携で、オウルベアを簡単に仕留めることができた。
事前にハリスが口を酸っぱくしてテオに言い聞かせていたこともあり、綺麗な白い毛皮を極力傷つけずかつ汚さずに倒した。
さっそくその場で解体作業が始まる。
「雲行きが怪しくなってきたな」
テオの声で、作業を手伝っていたリリアナが顔を上げる。
たしかに空模様がどんよりしてきた。
「急ごう。テオは荷物を片付けてきてくれ」
「わかった」
テオがかまくらへ駆け出していく。
ハリスの手の動きがさらに早まり、リリアナも気を引き締めてそれをフォローする。
かまくらでオウルベア鍋を食べるのを楽しみにしていたが、早くガーデン入り口まで戻ったほうがよさそうだ。
安全地帯で調理して、またリストランテ・ガーデンに肉を少しおすそ分けしてもいいかもしれない。
この時のリリアナは、その程度の危機感しか抱いていなかった。



