リムジンが走る車の中。

「ね、ねぇ、これからどこ行くの?」

「姫立学園ですよ。あと、もう少しで着きますので、それまで少々
お待ちくださいね」

「あ……、そ、そう」

このまま姫立学園に向かうのに、こんな服装でよいのだろうか?
でも一体、何の目的で何の為に私を、そこに連れて行こうとするだろうか?

見えてきたのは、大きいお城みたいな学校で、思わずぎょっとする。

外壁は、白で統一されていて、沢山の生徒がぞろぞろと正門を
くぐる姿を視界がとらえた。

ーーけど、リムジンはその前をスルーし、裏門から学園の敷地内
へと進入して、ピタリと横付けする。

「あの、この建物って……、もしかして寮?」

「察しがいいですね。そうです、姫立学園は4月から入学式。それまで
あなたには、ここで暮らしていただきます」

……はっ?

「詳しい話は、部屋にご案内してからしますので」