そして、部屋の角に設置された私のベットを取り囲むように、跪(ひざまず)いて
いるのは20人くらいの男子たち。

目の前にいる無駄に美形な男の子も、後ろにいる男子たちも真っ黒な
学ラン姿でいることから、私はふと思い出す。

「あの……、姫立(きりつ)学園の生徒がなんでココにいるの……?」
「説明は後です。家の前に車を待たせているので早く行きましょう、姫」

手をごく自然に握られ、連れ去られるまま、玄関へと向かう。
私はパジャマにカーディガン姿で、車に乗り込んだ……のは、いいんだけど。

驚くことに肝心の車の正体はーー、リムジン。
しかも、私の座席の向かい側は、あの王子様系男子が座っている。

もう、疑問で頭痛くなりそうなのをこらえて私は、ゆっくりと走り出すリムジン
に身を任(まか)した。