「私……、桜のこと好きすぎて……、死にそう。でも、こう言われるの
慣れっこだよね桜は。桜、かっこいいし、付き合ってた女の子いたんでしょ?」

すると、桜が目を丸くする。

「は? 俺は、今まで女と付き合ったのは麗が初めてだぞ? もしかして、
それで、おかしくなってたのか?」

「あ、ごめん。実はそうなんだ……って、ええ! 桜って彼女いたことないの!?」
驚愕する私に、桜は丁寧にこう述べた。

「まー、俺に言い寄る女は沢山いたけど、気持ち悪くて断ってた。ちなみにキス
したのも麗が初めて」

「そ、そうなんだ……、ごめん、勘違いしてて……」
「別にいい。誤解させて悪かったな。俺、不良だから」

そして数秒間、沈黙が流れたあとそれを破ったのは私だった。

「桜、こんなどうしようもない私だけど……、死ぬまでずっと一緒に
いてくれる……?」

「そんなのあたりまえだろ。俺にとって麗はーー、世界一どうしようもなく
可愛い女なんだからさ」

夜風が吹き抜けたあと、ーー私たちはキスをする。

いつの間にか雲は消え去り、満天の星空と月が私たちを見守っていた
のであった。

~END~