すると、眉をハの字に下げる桜。

「嫌い? そんなわけないだろ。あの時は感情的になってそう言ったんだ。
そのあと、俺、もの凄く後悔した。きっと麗のことだから、なにか事情が
あったんだろうって思ってさ」

「じゃ、じゃあ、今日学校を休んだのは……?」
「あー、同じ教室にいると気まずいと思って休んだ。ただ、それだけだ」

な、なんだ、そうだったんだ……、と私は安堵して息を吐く。
桜が笑みを浮かべて、私の髪を優しく撫でる。

「あ、あのね桜」
「ん?」

勇気をださなきゃと思って、私はゆっくりと口を開く。

「今日の夜……、話したいことあるから、寮の階段のところで待ってる」
「わかった。じゃあ夜にな、麗」

微笑して、私の頬にキスを落としたあと、桜はコンビニに向かって
歩いて行ったのであった。