自分のアホさに、思わず落胆してしまう。
……仕方ない、こうなったら直接、謝りに行くしかない。
席を立ち、鞄を掴んで賑やかな教室を出た。
昇降口をでると、オレンジ色に染まった夕日が私を照らし出す。
そして、寮に向かって歩き出すと、同時に心臓がドキドキと加速する。
ちゃんと、自分の気持ちを伝えられるだろうか。
ちゃんと、誤解を解くことができるだろうか。
そんなことばかり考えていたせいで、私の視線は地面へと落ちる。
そしてーー、あろうことか前から走ってくる車に気づかなかったんだ。
クラクションの音が鳴り、バッと顔を上げると、もう車は目の前に
迫っていてーー。
ひかれるーーーーー。
その瞬間、誰かが私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
それは、私の大好きな人の、声。
「ーー麗っ!」

