体育の時は、あんなに賑やかだった外のグラウンドだったけど、お昼休みの
チャイムが鳴ると、自然と廊下から生徒の楽しそうな声が響いてきた。

まるで、飴玉がはじけているような、そんな音。

桜と私は、お互いに好きだと言って、抱きしめ合ってから、
他のクラスの人が戻る前に、ひとけのない、あるところに居た。

あるところとは、私が体育の時間前に着替えたあの、物置として
使われている小部屋だった。

私は、今、小部屋の隅にあったソファに押し倒されている。

桜は、そんな私の上に覆いかぶさるような体制をしていて、
私を見下ろしていた。

「麗、最初に言っておくけれど……、俺止められる自信無いからな?」
私は、ドキドキする胸の前で、手をぎゅっと握り合わせる。

そして私は思わず、フッと笑みをこぼした。
桜の頬に自分の手を伸ばしてそっと添える。