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桜が「は? 今なんて?」と目を見張り、私に聞き返す。
ーー自分の頬に、熱が集中するのを感じた。
「だ、だからつまり、私も桜のものになりないの……!!」
ちょっと怒りながらそう言うと、桜は真剣な顔つきへ変わる。
こんな桜の表情ーー、見たことない……。
そう思って、ドキンと跳ね上がる心臓。
「いや……、やっぱダメだわ。俺の方がダメ」
さっきの威勢はどこに行ったのか、急に桜は口元を手で覆い、そっぽをむいて
しまう。
「さ、桜、どうしたの? やっぱり、私じゃ物足りない?」
「ちげーよ、馬鹿。……怖いんだよ」
「怖い?」
「お前は、以前から細い身体してるなと思ってたけど、体育の授業で
着替えている時、俺が予測してた以上に華奢だったから……、だから
今は、こわしそうで怖い」