「ーーおい、何やってんだよ」
……え?

思わず声のした方向を見るとーー。

「ひっ! 五鬼上!? いつの間に!?」
「俺たちはその……、ただ彼女と話してただけだよ。なぁ、花ヶ迫さん?」

答えを求められて、私はどう返事すればいいか困ってしまう私。
桜は、ポキポキと指をならして、男子3人組を睨みつける。

「早く、麗から離れろ。さもなくば、ただの喧嘩だけじゃすまないぞ……?」

「ご、五鬼上が悪いんだよ! 騎士に選ばれただけで、1人、花ヶ迫さんを
独占しててさ! こっちはムカついてんだよ!」

茶髪の男子が、そう桜に叫ぶように反抗する。

だけど、残りの2人組がその発言にギョッとして、「五鬼上に殺されるぞ……!」
と小声で言う。

茶髪の彼はまだ何か言いたそうだったけれど、チッと舌打ちして2人の男子と
共に小走りで消え去った。

「桜、ありがとう」
私はそう言うと、桜がギュッと後ろから抱きしめる。

「あー……、今すぐ麗を俺のものにしたいけど、そこは我慢する……」
桜の言葉にドキドキしながら、私はーー。

「いいよ……我慢しなくて」