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「はぁ……、疲れた」
体育の授業が終わり、私は汗をタオルで拭きながら女子更衣室に続く
廊下を歩いていた。
また桜に、捕まったらやっかいなことになりそうだったので、見つからない
ように早足でここまで戻って来たのだ。
体育の先生に後片付けを頼まれていたし、少しの間、桜は会いに来られ
ないであろう。
……ん?
ふと気配を感じて後ろを振り向くと、同じクラスの男子生徒3人組が
にやにやしながら、私に近づいてきた。
「花ヶ迫さん、今ひとりぃ? 五鬼上はいないの?」
3人の中で茶髪の、一番チャラそうな男子にそう話し掛けられる。
「え? あ、うん。桜に何か用事?」
「鈍感だなぁ~、違うよ。ねぇ、花ヶ迫さんその髪型すごく可愛いね。
ポニテ好きなの?」
彼の手が私の肩に触れられて、私は思わずゾクリとする。
……なにこの人、なんだか気持ち悪い。