「桜? 桜ってば! 早くしないと、本当に授業に遅れちゃうよ!?」
スマホを確認すると、小休みの時間がもうそろそろ終わってしまいそうだ。

私はストレートの黒髪を、ゴムで縛ろうとするが焦って中々うまくできない。
あぁ、もう、私、桜のペースに振り回されっぱなしじゃん……!!

「……縛れないのか? なら、俺がやる」

正気に戻った桜に、ゴムを奪われて何故か私は髪を結んでもらうという
状況になる。

「なぁ」
「な、なによ」

「いや、麗のこと俺、すげぇ好きだなと思って。この黒髪も、白い肌も」
「な、なに今更」

さ、桜って、こんなに肉食系男子だっけ?
そう思いながら、私は桜に、髪をポニテに結ばれたのだった。