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キーン、コーン……。
3時間目が終わった合図を告げるチャイムが鳴り、教室が一気に
賑やかになる。
次は体育かと思い、「ふぅ……」と私は息を吐いた。
……今日はマラソン。走るの苦手だから憂鬱だなぁ。
そう考えながら、私は着替えのジャージが入ったスポーツバックを
両手に抱えて、教室を出る。
クラスで唯一の女子の私は、1人で女子更衣室に向かっていると……。
「おい、俺を置いてさっさと行こうとするな」
「え?」
振り返ると、そこには桜が立っていた。
「どうしたの? 男子更衣室は反対側だよ?」
ぼけっとする私に対して、桜はとんでもないことを言い出した。
「そうじゃない。“騎士”として、“姫”の着替えを手伝ってやる」
「……は?」
固まった私に桜は「こっち来い」と手を引っ張り、物置として使われて
いる小部屋に移動させられる。
「じゃ、脱いで」
「あ、あの……、桜?」