促されて、私と桜は並んでソファに座る。
丁度、校長先生は、私たちと向き合う形で同じくソファに腰を下ろした。

にこやかな顔から、神妙な面持ちになった校長は、何故かいきなり頭を下げる。

「花ヶ迫さんには、本当にすまないことをした。まさか、あの四王天くんが
姫である君に暴力を振るうなんて……、これは私の責任だ」

「べ、別に私は平気ですから……!」
校長先生は顔を上げて、口をゆっくりと開いた。

「四王天くんには、学園の方から強制に退学してもらった。だから、姫である君には、
もう一度“騎士”の男子を選んで欲しくてねぇ……」

「それなら、私は、桜を指名したいです……!」
校長に反対される覚悟で伝えるとーー。

「彼が真面目に学園生活をこれから送るという約束を守れるなら、そうしましょう。
どうかな、五鬼上くん?」

「はい、わかりました。絶対にそうすると誓います」

その桜の言葉に、嘘偽りはなくて、私と桜は晴れて、“姫”と“騎士”という
関係になった。