私は、鞄を持つ震える手を抑えながら、キッと六華くんを睨みつけた。
「だったら私もーー、桜と一緒に退学する」

すると、私の言葉がよほど衝撃的だったのか、サッと顔を青ざめさせて、
挙動不審になる六華くん。

「な、なんの冗談ですか? 麗さん、あなたはこの学園以外での居場所は
もう無いんですよ。あ、あなたが描いている夢や希望もなくなってしまいます」

「それでもいい。確かに退学したら、私の夢っていうものはなくなる。けど、
夢や希望があるのは、学園の中だけじゃない。なくなったなら、また別の場所で
それらを見つければいいって私は思うの」

六華くんは、わなわなと身体を震わせたあとーー。
「この生意気な借金女!!」

そう大声で叫んで、私の首を両手で絞めあげる。
「く……、苦し……、」

私はそのままーー、意識を手放したのであった。