「はははっ、はははははっ!! ……はー、こんなに面白いことを僕に言った人は
初めてですよ。あー、可笑しい」

私は、六華くんの言動に理解が付いていかなかった。

……何この人、頭、狂ってるんじゃないの。
……王子様なんて、所詮、仮面だったんだ。

「あのねぇ、六華くん、こっちは真面目な話をしているつもりなの。私もセレブ婚
目当てで、上辺だけで仲良くしようとしてたのは謝る。けど、なにか私、変なこと
でも言った?」

未だに身体を九の字に曲げて、笑いをこらえている六華くんにムカッときたけど、
なるべく冷静に自分の考えを伝える。

「僕は学園で1番偉い存在ーー、つまり、僕に逆らうことはできないし、僕の言う通りに
しなくてはいけないんですよ?」

「は? なにそれ。そんなの学園の人がみんな六華くんの奴隷みたいじゃない」
「そうです。奴隷なんですよ。麗さん、あなたもね」