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裏門の庭から、正門前の昇降口に向かう為には、学園の敷地内を
ぐるっと1週する必要があった。
そこまでの道のりを桜と並んで歩く。
見上げると空はいつの間にか快晴だった。
しばらく心地よい沈黙がながれていたけれど、それを破ったのは
桜の何気ない一言。
「麗はなんでこの学園に入学しようと思ったんだ?」
「え? あ、それはーー、」
私は一旦言葉を、区切ってから、ハッキリと言った。
「あの招待状の中身を知った時は、戸惑ったよ。だけど、自分には
他の道がなかったから」
自殺を諦めたからなのも理由の1つなのだけれど、それはあえて
伏せておく。
「そうか、お相手の騎士とは上手くやれてるのか?」
ーーギクッ、と身体から音が出る。
「う、うん、それなりに上手くやれてるよ」
桜にこれ以上の心配をかけさせたくないと思って、私は思わず嘘をつく。
「麗は、小さくて可愛いからな。騎士になったヤツはきっとお前を
大切にしてくれるだろ」