キーン、コーン……。
何事もなく、午前中の授業が終わり、お昼休みになった。

賑やかな教室を私は一人飛び出す。

お弁当箱の包みを持って向かっている先は、六華くんがいる2年生
の教室がある上の2階。

少しでも早く六華くんとの距離を縮めたくて、一緒に裏庭でお弁当でも
食べようと思ったからだ。

歩いている廊下の窓の外を見ると、空は快晴。
私の心も、快晴。

やっとーー、やっと私にもやっとチャンスが巡って来たんだ。
人生初到来の、最大のチャンスが。

私はちょっと浮かれ気味で、六華くんの教室へと足を運んだ。

「生徒会長に用事? なら、今頃、裏庭にいるんじゃないかなぁ?」
「教えてくれてありがとうございます」

六華くんが2年の教室にも廊下にも見当たらず、思い切って先輩に
尋ねてみると、そう言われた私。

早速、昇降口を抜けて裏庭へ六華くんを探しに行く。
六華くんどこだろう……?

キョロキョロと無駄に広い庭を歩いているとーー。