促されるまま、学園と同じく白で塗装された寮とやらの中へ入る。

エレベーターに乗り、再び降りると、少し歩いた先に《501》と書かれた
扉の前で私たちは、立ち止まった。

「どうぞお入りください」
「あ、はぁ、どうも」

部屋はーー、予測してた通り白で統一された、おちぶれた私にはもったいない
程の豪華な家具や収納ダンスが並んでいる。

ココアのコップを、王子様系男子から受け取ってソファに向かい合って座った。

「僕の名前は、四王天 六華(しおうてん りっか)。自己紹介が遅れて
しまいましたね、花ヶ迫 麗さん」

どうして名前を知っているんだろう? と、首を傾げると、彼ーー、
六華さんは、一枚の小さな紙を、胸ポケットから取り出す。

それはーー、私の名前がサインされた“招待状”。

「すみません、時間がなかったものですからーー。勝手に持ち出して
しまいました。でもこれは、とっても大切ですので僕がお預かりしますね」

再び、胸ポケットに紙をしまう六華さん。

「では、これから、貴方様が疑問に思っていることを説明しましょう」