それからどれくらい
経ったのだろう……。
優子は泣き疲れて
眠ってしまった。
起こさないよう、
ゆっくりと横に倒し
布団に寝かした。
…さて、
私に何ができるんだろぅ……。
瀬谷は何も悪くないし、
優子だって悪くない。
告白しとけば…なんて
思っても
仕方ないんだろぅ……。
本当に
何も変わんないんだし……。
何か私ができる事……。
私は優子が起きるまで
必死で考えた。
「…ん……。
さ、つきぃ…??」
「ん?…ぁ!おはよう優子!」
「おはよう、沙月…!」
ちょっとだけ控えめな
笑顔をした優子が
ゆっくりと目をこすりながら
体を半分起こした。
「私…寝ちゃってたね。」
「ぅん。
……すっきりした??」
「……ぅん。
すっきり、した…。」
今の優子なら大丈夫だ。
穏やかな笑顔をしているから。
「ぁのね…、
色々考えたんだけど……、
私が出来る事って…ね、
なんだか……
全然なくて……。」
「そんな事ないよ!」
優子が勢いよく布団から出た。
「沙月が聞いてくれて
なんだかすっごく
楽になったよ!
ありがとうね…!」
少し涙が出そうになった。
優子のために
何が出来るんだろうと思って、
でも何も出来なくて…。
そんな自分がすごくイヤで
嫌いになりそぅだった。
本当は心のどこかで
救いの言葉を
待っていたのかもしれない。
それでいいんだ、って……
人のためになってる、って……
言われたかったの
かもしれない……。
私が…
救ってあげる時なのに……。
救われてばかりな気がする。
私も誰かを
救えているのかな……。

