排他的に支配しろ






「へえー、人の気持ちを乱しておいて自分は寝るんだ?」

「んぇっ……?」

「いい度胸だね」



 はっと覚醒した目の前に、春日さんの顔があって。

 息を吸う間もなく近付いてくる。


 一瞬意識が飛んでいた。

 ルイくんに押し倒されたところまでは覚えていて……はっきりとしないけれど、春日さんが来てくれたんだよね。

 それからは少し曖昧。夢と現実の狭間みたいな感覚だった。


 今は、家に帰ってこれたのかな。

 見覚えのある天井とベッドだ。



「他のこと考えてない? まずはこっちに集中でしょ」

「ふ、っ……ぅ」

「誘ってきたのはそっちなのにさあ」



 舌先で首筋をくすぐられる。

 それによって、自分がどういう状況だったかを思い出した。

 帯が緩められていく。一枚ずつ暴かれていく感覚に、ずくんと熱が溜まってしまう。



「あ……」

「ネックレスにしたんだ」



 春日さんが指に引っ掛けたのは、もらった指輪。

 そうだ、お礼を言わないと……。



「それ……ありがとうございました」

「ううん、俺の方こそ。早速役に立つとは思わなかったけど」

「……?」