春日さんに触られてるときと、同じ。いや、それ以上の、
────りん。声、我慢しないで。
恥ずかしい記憶がよみがえる。
キスをして、わたしが変な気分になってしまったとき……。
春日さんは優しい顔で、優しい手つきで触れてくれて。
耳元で、りん、って囁いてくれていた。
なんで今、こんなこと思い出しちゃうの……!
顔が熱い。全身が熱い。
春日さんに触ってもらいたい……。
「……仲良く、って、そういうこと……か」
ルイくんがゆらりと起き上がる。
「リンちゃん、ごめん……」
彼の頬を伝う、一筋の涙。
わたしの生理的なものと違って、悲しそうな、意思のある涙だった。
「僕、……前々から姉ちゃんに、僕も売り物にしてほしいってお願いしてたんす。守ってもらってばっかりで……何も力になれないくせに、キレイなままなのが、耐えられなくて……」
ぽたぽたと、床に水滴が増えていく。
「これは、姉ちゃんがくれた、試練、なのかもしれない……。僕がここで、リンちゃんと“仲良く”できたら……」



