ルカさんは、さも今気が付いたかのように「ああ!」とわざとらしい反応を返す。
「ちょっとウチの子達が暇してたみたいで、暇潰しの相手をしてもらってるだけよ」
「……ぶ、無事ではあるんですよね」
「ええ。命には関わらないわ。呼んでもないのに来たんだから、それくらいはしてもらないとね?」
ひとまず安心は確保できたけれど、具体的に何をしているか言ってくれないのが怖い。
わたしがついてきてほしいって思ったからだよね……。
どうにかできないだろうか。隙を突いて、どうにか……何か、……。
……? 頭の回転がうまくいかない。
なんというか、考えようとしてもぶれてしまう……みたいな。
「さ、行きましょう」
かろうじて歩くことはできた。
彼女の言葉だけが脳を駆け巡り、他のことが浮かんでこない。
腕を引かれたらそっちに足を動かすことしかできなくて。
ぼーっとしていたら、違う部屋に到着していた。
背中を軽く押される。
床に倒れ込んで振り向いた先では、
「そのまま、二人で仲良くしていて頂戴」
すぅっと細められたルカさんの瞳が、扉の隙間に消えていった。



