排他的に支配しろ



 驚くわたしに彼女は口角を上げ、袖で隠す。



「花屋はね、娯楽と引き換えに情報を得る組織なのよ。この街のことは大抵知っているわ。……でね、ワタシは一芸に秀でた人間を歓迎したいの」

「……わたしの超能力を利用したいってことですか?」

「勘違いされてることも多いのだけど、ウチは体を使うのが全てではないわ。一番楽しませる方法として手っ取り早いだけよ」



 楽しませる方法……。春日さんのことが頭に浮かんだ。

 いくら勧誘されたって、わたしは春日さんと一緒にいたいと決めている。わたしが楽しませたいのは、彼だけなのだ。



「すみません。わたし、花屋には行かないと決めたので……」

「神上 臨」



 袖の奥から名前を呼ばれる。一音一音をはっきりと響かせて。



「勧誘したいのではないの。歓迎、したいのよ」

「ど、どう違うのでしょうか……」


「持っている武器は、上手く、惜しまず、使うべきだと言いたいの。今日も光峰 繚を連れて来たみたいだけど、自分は何もせずに守ってもらうつもりだった? どうして? おまえが女で、弱いから?」

「それは……」