排他的に支配しろ





 朝食を終えてからは、居間の掃除を任された。

 掃除も経験が少なかったので、道具の使い方などを教わりながら進めていく。

 午前はあっという間に過ぎ、気付けば時計はお昼頃を指していた。



「どもっす! お邪魔するっす!」



 そこへ、来訪者がやってくる。



「花之木さん……」

「ルイでいいっすよー!」



 明るい笑顔、元気な挨拶。

 彼とは会うのが二回目なので、警戒心を固く持つ。



「ご存知でしょうが、春日様はいらっしゃいませんよ」

「あはは! 知ってるっす。リンちゃんに会いに来たんすよ」



 え、わたし?

 思い巡らせて、はっとたどり着いた。


 花屋の件、ちゃんと断っていない。

 
 前回の流れでは行くかもしれない、で終わっていたから、気にかけてくれたのだろう。

 言わないと。春日さんのものになったからいけなくなった……って。



「あの、ルイさ……」

「リンちゃん」

「え、あ、なんですか」



 先手を取られてしまった。

 ルイさんは、人当たりの良い笑顔を浮かべる。




「花屋に一回遊びに来ないっすか?」