排他的に支配しろ



 チクチク言われることもなかったから、てっきり穏やかに過ごせていると思っていたけれど。

 わたしだけだったんだ……。



「春日さんが相当光峰さんを信頼されているように見えたので、油断してました……」

「……信頼?」

「はい……。今日も伝言、頼まれてたんですよね? それって、わたしに嘘を吐く人じゃないって信頼されているからじゃないですか?」

「…………」



 これも、良い人の知り合いが良い人とは限らない理論なのかな。

 春日さんが信頼してるからって、わたしが信頼していい人ではなかった……?

 わたし一人じゃこの街で生きていけないと感じるからこそ、見極めは大事だと理解している。

 でもその見極め力が、わたしにはないみたい……。



「……春日様には、極力従おうと思っているだけです」



 にっこり微笑まれる。



「あなたの言うことは真に受けません」



 ……はい。

 毎日顔を合わせることで、わたしが勝手に認識を歪ませていただけでした。


 機嫌を悪くさせてしまったようだし、食事は一人かな……。

 ──と考えていたら、それは一緒にしてくれた。