「同意見ですよ。私もそれほど食事に興味はありませんでした」
共感が返ってくる。
「ですが春日様が美味しいものを食べたいというので……勉強したんです」
光峰さんはどこか遠くを見つめていた。
何か、思い出してるのかな……。
春日さんとの思い出があるのが羨ましい。わたしはまだまだ全然、春日さんのことを知れていないから。
やっぱりこの人も、春日さんのことが好きなんだろうな。
「今日は光峰さんと食事までしたいです」
わたし達が食べているとき、光峰さんは傍らに立っているだけ。
きっと知らない内に食べてはいるんだろうけれど、一人よりは誰かがいた方がいい。
春日さんがいないから、できることだと思う。
「あなたって本当に……」
「なんですか?」
「警戒心が薄いようですね」
「え」
なんでそんな話に……。
「私はあなたをそれなりに警戒していますよ」
「そ、そうだったんですか……!? ここ数日何もなかったので、大丈夫かと……」
判断するのは、早かったってこと?



