拳銃、犯人、攻撃。
不穏な言葉が並べられた。
色々聞きたいことはあるものの、一番心配なのは光峰さんのことだ。
拳銃を盗んだ人と、ばったり会いでもしたら……。
想像しただけで足元が揺れる。
堪えられず壁に手を付いたとき、わたしの頭を春日さんがゆっくりと撫でた。
「驚くだろうけど、南蜘蛛ではよくあることだよ。怖いなら極力外には出ないようにしようか」
優しい声色でわたしを不安にさせないようにしてくれている。
「……光峰さんは、大丈夫でしょうか」
「大丈夫。あいつは強いし、掃除に行っただけ」
その後も「大丈夫」と呟きながら、わたしの背中を支えて食事へ向かわせてくれた。
「住み着いてるネズミがいるって言ったでしょ。それがさっきの」
「……そうなん、ですね」
夜が更けても、光峰さんが戻ることはなくて。
破裂音は遠くからも近くからも、鳴り響いていた。
これが、南蜘蛛という街の片鱗──。



