排他的に支配しろ





 食事をいただきに春日さんと一緒に光峰さんを訪ねると、台所に彼の姿がなかった。

 テーブルには透明の蓋で守られた二人分の食事。それから、書き置きの紙がある。



『仕事が入りました。ご自由に召し上がってください』



 よほど急ぎの仕事だったのだろう。筆跡が乱れている。

 足音一つ立てないで出ていったということだ。いつの間に。全く気付かなかった。



「……」



 春日さんは紙を手にしてすぐ、食事室から踵を返す。

 纏う空気が変わり、異様だ。わたしはついていくしかできない。



「もしかして、何か起こってる?」



 彼が叩いた扉は、まだ一度も入ったことがない部屋だった。というか、開いているところも見たことがない。

 中に人がいるなら、滞在時間がおかしいのだけれど。


 しかし声をかけた直後、作り物のような声が返事をする。

 耳をよく済ませば、カタカタと何かを叩くような音もしていた。



『百鬼会から拳銃が盗まれる事案。その後犯人と接触した数名、意識不明。全て死角からの攻撃』

「百鬼会から? 勇気あるな~」


『共有必要?』

「そうだね~。お願いしようかな」


『端末に送信』

「ありがと」