一滴の生理的な涙と共に、ポロリとこぼれる。
「あるよ」
答えは予想よりすぐ返ってきた。
「りんが俺のものになればいい」
「ど、どうやったらなれますか?」
「ん~……俺がりんに飽きなかったら?」
「飽きられないためには──」
どうすれば。
唇で塞がれたことで、その言葉が出ることはなく。
ちゅ……と音を残して離れていく。
今日だけで何回したことか。
だんだんと甘くなっているように感じるのは、わたしの思い違い?
「りんは俺に飽きられないために、何がしたい?」
聞き返されるとは思ってもみなかった。
というか、こういうとき自分で考えてもいいんだ。
他人のやりたいこと、してほしいこと。最初から正解がその人の中にあるなら、わたしが考える必要はないと思っていたから。
「ご恩を返せるように、春日さんが楽しいと思うことをたくさんご提供したい、です……」
春日さんは「そう」と優しい笑みで頷いた。
最後に一度わたしを抱き締め、体を起こす。
「まぁ、頑張ってよ」
「は、はい……」



