排他的に支配しろ






「コロスコロスコロスコロス……」



 私怨はわたしに向いている。

 ピンク髪の人は光峰さんに捕らえられると、手足を拘束されて椅子に座らされた。

 少し離れた位置でわたしと茶髪の人がそれを眺めている。



「春日様に戻ってくるよう伝えています。それまでどうか安静にしていてください」



 光峰さんの苦労して対応する様子に、隣からの大笑いが止まない。



「あっはっはっは! 盛大にこけるサキくんなんてなかなか見れるもんじゃないっすよ! キミいいっすね、なんて名前だったっけ?」

「しは……、神上 臨、です」

「リンちゃんね、覚えた! 僕は花之木(はなのき) ルイっす!」



 花之木さん。笑い声のせいであなたにも威圧の標的が行ったことは気付いていますか。



「全ッ員コロス!!」

「KEEP OUTの方針は『人殺しはするな』じゃなかったっすかー?」

「うるせェ変わったんだよ今!」



 咆哮の迫力は相当なものだけれど、彼の身動きは完全に封じられている。

 とりあえず距離を取っていれば安全圏だ。