排他的に支配しろ



「あ……? この女……」



 最初に口を開いたのは、殴りかかろうとしていた男の人。痛くなるほどに明るいピンク髪が強い印象を与えてくる。



「え! 女の子じゃないっすか! カスガくん、ウチに来ないと思ったらお抱えいたんすか!」



 次いで動き出すもう一人の方、赤っぽい茶髪の男の人。一気にわたしとの距離を詰めて、じろじろと舐めるように見てきた。



「なるほどなるほど。こういう子がタイプだったんすね。可愛いけど化粧っ気がなくて自然体……確かに花屋にはいないかもっす」



 何かを品定めされている。

 って、花屋……? わたしが行こうとしていたところだ。

 ちらっと光峰さんの方を見たら、前に出てわたしと茶髪の人の仲介をしてくれた。



「特に春日様のお抱えというわけではございませんよ。いつもの人助けです。彼女は今から花屋に行くところだったので、よければ連れていってもらえないでしょうか?」

「あー! そうなんすね、いいっすよ! でもボスの好みではないんで、ちょっとこっちで整えさせてもらうっす」



 茶髪の彼がにこっと笑いかけてくる。