排他的に支配しろ



 一体何事かと光峰さんと二人で見に行く。

 飛び込んできたのは、男二人組が玄関扉の前を塞いでいる姿だ。



「クソの新人が大変失礼なことをしました! 春日さんの顔を知らないなんてあるまじきことなんですが、ボコしときましたんでッ!」

「サキくん、カスガくんはまだ来てないっすよ?」



 地面に頭を擦り付ける人と、その後ろでのほほんと立っている人。

 確認した瞬間、光峰さんの背筋が少し正されたのが見えた。



「ああ、お二人とも。どうされましたか。生憎、春日様は出掛けているのですが……」



 光峰さんが告げると、頭を下げていた人が凄い形相で立ち上がる。

 態度は一転、わかりやすく不機嫌に。



「はあッ!? 春日さんいねーのかよ!? 最ッ悪、春日さん以外に頭下げたくねーよ! 並べ、見たやつ順番に殴るから忘れろ!」

「僕はカスガくんと花札したいなーって遊びに来たら、途中でサキくんと合流しただけっす」

「まずはおまえからだ、ルイ! 歯ァ食いしばれや!」

「そっちが勝手に土下座したんじゃん! リョウくん、僕完全に悪くないっすよね?」