次の場所を探さないとダメだと言っていたのは、わたしのためを思って?
光峰さんの言うことを全て信じるわけにはいけないけれど……でも。
光峰さんは、わたしの生死など気にも留めないであろうことは確実だ。
春日さんが口を出していなければ。
「……わかりました。もっと教えてください」
「わかればいいのです」
春日さんは、わたしの自由を少しでも叶えようとしてくれた。
お礼はまだ終わっていないのだ。
それまでに死ぬわけにはいかない。
食事を再開した。
どうやら光峰さんはわたしを脅したかっただけで、危害を加える気はないみたいだから。
気丈に、振る舞ってみせる。
「入りやすいのは『KEEP OUT』。まぁ簡単に言えば不良集団です。人数だけで言えば最大勢力で、街中を歩くほとんどは彼らでしょう」
……心当たりが、すごくある。
わたしに襲いかかってきた組織だ。入りたくない。
なにより、春日さんにも敵意を向けていた。許せない。
話を続けろという意思を含め、返事をしないまま食事を進めた。
光峰さんは一拍置き、次の組織を紹介する。



