「ごほっ、こほ……っ、はぁっ、は……っ」
「少々怖がらせ過ぎてしまいましたね」
「……っえ、こわ、がらせ……っ?」
そのときにはすでに、いつもの笑顔に元通り。
ただし、一度植え付けられた恐怖は戻らなかった。
細めた目から覗く真っ黒な瞳は、明らかにわたしを蔑んでいる。
「最初に春日様を引いたのは運がよかったですね。あの方は南蜘蛛で唯一、良心を持った方ですから」
光峰さん……この人、絶対ロボットじゃない。
こんなに感情を剥き出しにするロボットなんて、ありえない。
「話を戻しますね。組織に入ることは、名前を掲げるだけで力になります。組織には必ずボスがいますし、何かあったとき守ってもらえるでしょう」
「…………う、えと」
「ちなみに私の組織は、私がボスです」
「ひっ」
片付けられる……!
「ふふ、どうされましたか、臨さんはまだ何もされてませんよね?」
どうして春日さんは遊びに行ったのだろう。
光峰さんなんて、絶対頼りやすい相手じゃないのに……!



