排他的に支配しろ



 ……間違えた。悟ったときにはもう遅くて。

 喉が締まって声が出ない。

 知りたく、ない。言えたら、解放してもらえたかもしれないのに。



「そうですね……例えば私は、南蜘蛛の秘匿性を守る組織におります」



 声を封印されたわたしには、もう何も残っていない。



「南蜘蛛の利点は、秘匿性です。南蜘蛛で起こったことは南蜘蛛でしか処理されず、外に漏れる心配がありません」



 ヒヤリと冷たい指が首筋を這う。

 彼は、人間の弱い部分を的確に理解しているのだ。

 どうすれば終わるのか、わかっている。



「ですので臨さんが街を出る選択をした場合、外部に何も漏らさないことを約束していただかなければなりません」



 軽く、指を押されただけなのに。

 強く絞められたのと同じくらい、息が苦しい。



「残念ながら、生きたまま南蜘蛛を出ることはできないのです」



 目の前が暗闇に染まる。

 どちらか、と選べるような説明しておいて。

 実際は一つしか選ぶものがない話だという。



「──ということが起こった後の、後片付けをするのが私の仕事ですね」



 パッと手を離され、咳が込み上げる。