嬉しそうに口の端を吊り上げた男達についていく。

 女人禁制の場所に踏み行ってしまったことは、見ないふりをしてくれるみたいだ。

 ところで、どこにあるのだろうか。どんどん機械の連なるところから離れているように感じるけれど。



「……トイレ?」



 彼らが立ち止まったのはトイレだった。



「こんな人数で……?」



 複数人でトイレに行く経験としては、夜であればキョウダイに言われて従ったことはある。ただし今は昼間で、中も外も明るい。

 この人達、かなりの寂しがり屋と見た。



「察し悪いなぁ……ちょっとバカすぎねえ?」

「学習指導はしてもらっているのですが……」



 わたしの返答は適切でなかったようだ。彼らは不機嫌そうに顔を歪め、誰かがチッ、と舌を鳴らす。

 気付いたときには──トイレの壁に思いきり頭を押し付けられていた。



「っ……!?」


「俺達が変な女でも受け入れる優しい男でよかったな」

「捨てられちゃったんだな? かわいそーに」



 腕を後ろ手に固定され、身動きが取れない。

 ドクン、心臓が嫌な音をたてる。



 ────いいかい、頼んだよ。

 ────キミは神子なのだから。