「ここが娯楽室」
棚にずらりと並んだ、色とりどりの箱。
テーブルでは小さな人形のようなものが四角い板の上に立っている。
この部屋だけ他と雰囲気が違い、こぢんまりとまとまっていた。大人数で使う想定がなされていないのだと思う。
「あ、ごめん。今朝やってたチェスを置いたままだった」
「ちぇす……この人形のことですか?」
「そう。ボードゲームが好きでさ……あ、ボードゲームって、わかる?」
「……わかりません」
知らないことが多いせいで、会話を不必要に長引かせているのが申し訳ない。
きっと面倒なのに、春日さんは嫌な顔一つしないでくれる。
「ま、やってみよ。一旦オセロかな~」
「おせろ」
「ちょっと待ってて」
春日さんが棚から箱を抜き出した。
向かい合ってテーブルの前に座り、ちぇすとおせろを入れ換える。
箱からは正方形の板と、両面が白と黒に分かれた丸い板──石、というらしい──が収まっていた。
同じ色で挟んだら間のものをひっくり返し、最終的に表になっている色が多い方が勝つ。ルールは単純で、覚えやすい。
わたしが白で、春日さんが黒。勝負を始めた。



